シラバス/発達心理学




科目名 「発達心理学」
科目番号 411
対象:保
対象:保幼
単位数
担当教員 杉本 信

保=保育士コース             
保幼=保育士・幼稚園教員コース             



 近年,心理学の領域では「乳幼児(0〜6歳児)」を対象とした研究が注目を浴びています。これまで乳幼児は無力で依存的とばかり思われていましたが,じつはとても有能で自己決定的であることがわかってきたからです。例えば,泣くという日常的な行動は,何も出来ないで困ったから泣くという受動的な行動ではなく,泣くことによって自ら環境に積極的に働きかけることで自己主張し,自己原因性の感覚や有能さを感じるように行動しているのです。このような乳幼児の優れた能力をきちんと理解することなしに,適切な育児や教育はできません。また,乳幼児のこころとからだの発達はものすごいスピードで進んでいきます。そのスピードに遅れることなく,適時性に合わせた接し方をすることが非常に重要になってきます。子どもは大人のミニチュアではありません。

 そこでこの授業では,乳幼児のこころとからだの発達についてきちんと理解し,自分の経験だけに頼ることなく,発達段階に応じた適切な育児・教育ができるような,実践の現場で実際に役立つ能力を身につけることを目標とします。



 講義が中心の授業です。今までみなさんが受けてきた授業では,先生が黒板に書いたことだけをノートに書き写しながら受講することが多かったと思います。そこで,この授業ではほとんど黒板に文字を書きませんので,話していることをノートにメモしながら聞き,あとでそのメモをまとめることで復習するように心がけてください。最初はたいへんかもしれませんが,がんばってください。また,特に教科書は指定しませんが,いくつかの参考文献を紹介してあり,授業の中でも随時紹介しますので,なるべく多くの本を読むようにすると自分の能力アップにつながると思います。



 教科書は特に指定しません。
【参考文献】
桜井茂男編,『乳幼児のこころの発達@1歳まで』,大日本図書,1999年
桜井茂男編,『乳幼児のこころの発達A1〜3歳まで』,大日本図書,1999年
桜井茂男編,『乳幼児のこころの発達B3〜6歳まで』,大日本図書,1999年
山下富美代編,『発達心理学』,ナツメ社,2002年
岡本依子・菅野幸恵ほか,『エピソードで学ぶ 乳幼児の発達心理学』,新曜社,2004年
無藤隆ほか編,『よくわかる 発達心理学』,ミネルヴァ書房,2004年
藤崎眞知代ほか,『保育のための発達心理学』,新曜社,1998年





 定期試験の成績によって評価します。



1.目標と内容





























2.受講上の留意点



















3.教科書と参考書


















4.学習の評価方法




テーマ 授業項目 授業内容と方法など
1 発達心理学の基礎@ 発育・発達とは 発達心理学が取り上げる領域
2 発達心理学の基礎A 発達の基礎 遺伝と環境,発達の方向等
3 運動感覚と知性の
発達@
感覚の発達 視覚,聴覚,触覚,運動感覚の発達と知的イメージ
4 運動感覚と知性の
発達A
運動の発達と知性の
発達
からだ・微細運動・粗大運動・歩行の発達と知的イメージ
5 思考の発達 思考の定義と発達
過程
感覚運動的思考,前操作的思考,具体的操作的思考
6 人間性の発達@ 0〜2歳頃の
人間性の発達
アタッチメント
7 人間性の発達A 2〜7歳頃の
人間性の発達
自律性,自主性の発達としつけ
8 人間性の発達B 8歳頃〜死期の
人間性の発達
勤勉性,アイデンティティ等
9 自己意識の発達@ 自我の発達 自我の発達としつけ
10 自己意識の発達A 自己の発達 自己の発達としつけ
11 あそびの発達@ 幼児期前期の遊び 運動あそびの発達,思考・意欲の発達と幼児期前期の遊び,友達との 遊びの発達
12 あそびの発達A 幼児期後期の遊び 運動遊びの発達,思考・意欲の発達と幼児期後期の遊び, イメージを使った遊びの発展,ルールのある遊びへの発展
13 社会性の発達@ 他者への気づき 親・友達とのかかわり,共感の発達,
14 社会性の発達A 道徳性の発達 公正観の発達,善悪判断の発達
15 定期試験



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