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 保育士コースに開設されている保育園実習の「体験実習」は平成15年度から時間割の中に組み込まれます。学生は毎週水曜日または金曜日の午前中(1時限と2時限)に品川区内の公立と私立の保育園に実習に行きます。午後は学校に戻り、3時限から他教科の授業を受けます。
 このように毎週、授業時間の中で実習を行う形態は欧米の多くの学校で採用されていますが、日本では、たくさんの附属保育園や幼稚園を持っていない限り実現不可能でした。その理由は@園や学校が実習生を毎週受け入れて指導する余裕がないこと、A養成校側に普段の授業にごく近いインターンシップ形式として実習を位置づける発想がなかったこと、B授業であるから教員が現場で責任を持って指導にあたらなければならないが、そのための時間とスタッフの確保が困難であったこと、C時間割へのしわ寄せを嫌ったこと、D経費がかさむこと、E何よりも行政側の理解を得られないこと、などがあげられるでしょう。

 日本音楽学校は品川区にあることが幸いしました。実習は何日、何週間という学習時間単位で免許・資格取得科目の中に規定されていますので、どうしても連続して何日間または何週間、学校の授業をすべてストップして実習を行うことが慣行となっています。終日の実習を10日間または2週間継続する学習メリットは大きなものがあります。しかし、意識や資質やソーシャル・スキルが低い学生も混在して実習に出かけるため、長期間にわたり実習先に多大な迷惑をお掛けしているのが現状です。また学生サイドに立ってみれば、自分の資質能力が判断できず、さらに問題発見・解決ができないまま大きなプレッシャーを抱え込む結果になります。
 このような弊害を最小限に抑えるための一つの試みとして、今回、実習として授業枠2コマを1セメスター分使って継続し、しかも教員が引率する形態を検討してきました。品川区に最初、説明に伺ったときは2年がかり、3年がかりでもあきらめずに協力を要請する覚悟でいました。
 ところが1ヵ月後に、大枠での許可と協力を承認していただくことができました。現在、積極的に教育リフォームを遂行している品川区ならではの対応に私たちは深く感謝しています。

 毎週1回の実習指導は、幼児教育実践総合センター所属の教員があたり、保育園での観察や体験を通して仕事の内容、心構え、活動の実際を学び、職業人としての技術、感性、人間性を高めることを教育目的としています。
 当センターは幼児教育に関するカリキュラム開発、教材開発、インターンシップ、地域支援などを活動課題として来年度4月1日から日本音楽学校内に設置されますが、保育園や幼稚園での豊富な指導経験と教授法などの研究開発に実績と意欲のある教員で構成されます。その教員が実習計画、内容、指導、評価などを組み立て、6月から学生を引率して実習指導に当たります。教員は学生と一緒に活動し、その場で指導することになります。

 新しい保育実習制度によってすべての問題が解決し、学習成果が飛躍的に高まるとは考えていません。これも一つのやり方であり、少なくとも従来解決されなかった問題のいくつかは解決されるものと確信しています。教育に力を入れている国ではこのような制度が見事に機能し、その実際を調査すると私たちこそ導入すべき制度であると長い間感じてきました。
 この結果については幼児教育実践総合センターから毎年3月に報告書をホームページに掲載し、みなさまからの意見や指導を仰ぎたいと考えています。

 なお、現在模索中の教育リフォームの課題は、幼稚園実習の時間割り内への取り組みです。学生数が多いことと、その結果あまりにも膨大な支援を行政や関係園にお願いしなければ成り立たないという単純な大問題があります。もちろん本校も10数人のセンター所属教員を確保しなければなりません。このような大きな問題を抱えていますが、学生の資質向上のためには最良の教育プランの一つであることに間違いありません。今後、着実にかつ意欲的に検討するつもりですのでご期待ください。






















































日本音楽学校
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